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サーバを仮想化したら「面倒なバックアップ課題が増えた」!?専任者不足の中小企業で、仮想化環境の確実なデータ保護を実現する方法は? コンサルティングファームO社(従業員数:100名)
背景
業務システムやデータの肥大化に伴う大量のサーバを集約する目的から、大企業を中心に普及が進んできた「仮想化」。最近では、その有効性が認知されたこともあり、中堅・中小企業にも急速に導入が進んでいる。サーバ台数の縮小による物理コストの削減はもちろん、管理・運用・保守などの工数とそれに伴う人的コストの削減、大量のサーバを維持するための膨大なエネルギーコストの圧縮、さらにはハードウェアに依存しない柔軟なITインフラ構築など、仮想化によるメリットは多い。しかし一方では、1台の物理サーバに複数のシステムを搭載することによる、“仮想化固有”の課題も顕在化している。
その代表的なひとつが「バックアップ」だ。データ保護のためのもっとも基本的な取り組みだが、意外にも仮想化移行への設計段階からバックアップを考慮したサーバ統合が行われるケースは少ない。しかし、仮想サーバのバックアップ手法は物理サーバとは異なるため、後から“思わぬ弊害”を引き起こしかねない・・・。
課題・問題
「終わらない」バックアップに、膨らむ障害リスク。“仮想化固有”の課題が障害に・・・
中堅コンサルティングファームO社では、サーバリソースの利用率向上や、それに伴う物理サーバの縮小によるコスト削減、管理性の向上による運用負担軽減などを目的に「サーバ仮想化」への移行を決定。もっとも代表的な「VMware」の仮想化ソリューション導入を検討していました。
しかし、検討を始めた矢先、技術・管理面においていくつかの問題が浮上することに。特に、データ保護のための「バックアップ体制をどう構築するか」という難問が、仮想化プロジェクトの大きな課題となっていたのです。
「バックアップが“終わらない”」!?
まず問題となったのは、仮想サーバ上でバックアップを動作させる際の“サーバリソースと負荷の関係”です。バックアップ処理は、一時的に相当のサーバリソースを消費します。1サーバ1システムの物理環境では、サーバリソースが十分に確保されているため、あまり問題とはなりませんでしたが、1台の物理サーバ上に複数のOS(システム)が稼働する仮想化環境では、常時サーバ負荷が高い状態にあります。
つまり、リソースの効率的利用が“仇”となって、バックアップの時間帯をどこに設定してもリソース不足に陥り、サービスが遅延してしまうのです。
したがって、すべての仮想サーバを停止させてからバックアップ処理を実行せざるを得ず、同社でも夜間の業務時間外に実行する方針を定めていましたが、それでもパフォーマンス劣化の影響から時間内にバックアップを終了できず、翌日の業務に支障を及ぼす恐れが危惧されていました。
「1日前に“逆戻り”」!?
加えて、夜間に行う1回/日の日次バックアップは、“事業継続”の面でも大きなリスクでした。というのも、何かしらの障害が発生してリカバリを実行する際、仮に復旧できたとしても前日時点の状態への復旧です。タイミング次第では当日の業務データがすべて失われてしまう恐れがあるのです。情報がサービスである同社にとって、これは致命的なダメージともなりかねません。
「むしろ障害リスクが“増えた”」!?
また、仮想化環境では複数のシステムが同時に稼働していますが、前述の通り、ハードウェア面から見ると、実際は物理サーバ1台がすべての処理を賄っています。このことは、物理サーバが1台故障すると、その上で稼働するシステムがすべて停止する事態に陥ることを意味しており、従来よりも障害リスクは増大してしまいます。
専門知識はなく、専任者も不在・・・最適なバックアップ手法が分からない
同社の場合、事前に情報収集を行っていたおかげで、仮想化環境への移行前にこうした課題について把握することができましたが、いざ解決となると別問題です。情報システム担当のM氏はこう語っています。
「人材の大半をコア業務に集中投入している当社は、グループウェアや業務システムの運用・保守担当として私自身を含めシステム担当者が2名しかいません。当然、仮想化に関する専門知識を持つ人間はおらず、自社に最適なバックアップ手法や、どういったシステム設計なら実現できるのか、といったことは正直分かりませんでした。かといって、SIerさんにすべてを任せる予算もなく、しばらく仮想化環境へ移行することができませんでした」
課題・問題のポイント
仮想サーバはリソース負荷が高いため、サーバ停止リスクやバックアップ処理の遅延リスクが発生
日次の夜間バックアップでは、丸1日分のデータ消失リスクが懸念
複数のOSが1台の物理サーバ上で稼働する仮想環境では、障害リスクも増大
バックアップ設計の専門知識がなく、仮想化環境へ移行できない