障害復旧に備えて「バックアップ頻度を増やしたい」?“わずか数十分”で直前状態へシステム全体を復旧する「常時バックアップ」とは。 総合商社M社(従業員数:150名)
背景
多くの企業では、コスト的な問題や容量の大きさ、可搬性などから、バックアップメディアにテープを使用するのが一般的だった。しかし、ここ数年のデータストレージの飛躍的な進歩に比して、テープメディアはバックアップに要する膨大な時間や、リストア精度の低さ、それらに伴うサーバ管理者の作業負荷など多くの「リスク」が目立つようになっている。
バックアップは、社内データが複雑化・大容量化する中でますますその重要性を増しているが、それに比例してこうした「リスク」も増加する一方。長引くバックアップ工数=実施回数の少なさは、事業停止の温床にもなりかねない・・・。
課題・問題
1日にたった1回のバックアップ。「消えたデータ」で業務に支障が・・・
情報システムから建設、エネルギーまで幅広く事業展開する中堅総合商社のM社では、顧客データや日報、実績表などの保有データを毎日レポートとして作成し、午前・午後に分けて業務報告しています。その際、個人情報保護方針に基づく文書管理ポリシから、こうした機密データは各担当者のクライアントPCへの保存が禁止されており、会社内のファイルサーバに保存するよう義務付けられていました。
一方、ファイルサーバ側はというと、日々の膨大なレポートデータを保存するために安価なテープメディアをバックアップに利用してきました。しかし、テープでは毎回作業に数時間を要するため、バックアップは夜間に1日1回実施するのみ。このため、障害が発生するタイミングが悪いと、最悪の場合は丸一日分のデータが消失してしまう危険性もありました。実際に、同社では過去数度にわたり、サーバ障害の影響で約半日分のデータが消失し、業務に大きな支障をもたらした例も発生していたのです。契約情報や顧客情報を含む重要データのバックアップとしては心許なく、早急な見直しが必要でした。
数時間から数日要する上に、「前日」にしか戻れないリカバリ・・・
こうしたバックアップ運用は、当然ながらリカバリへの懸念を招くことにも。1日1回、テープへのバックアップ運用では、万が一の際に直近の状態にリカバリすることができないばかりか、ファイルの取得に数時間から数日要したりエラーで読み取れないなどの問題も。M社のデータは販売、在庫、ロジスティック、EDI、顧客管理など業務ごと多岐にわたり、常に変更・更新がある一方で、しばしば過去に遡ってデータを探し出す必要も生じます。リカバリ精度の低さは常に大きな懸念材料でした。
このため、M社の情報システム部門では1日複数回のバックアップを検討していましたが、現状のテープメディアへのフルバックアップでは、作業時間がかかりすぎて1日2回がやっと。これでは最短でも半日前の状態に戻すことしかできません。また、バックアップデータをリカバリする際にはファイル単位でしかデータを取得できず、パッチ情報を含めたOSの細かな設定までは復元されないため、システム全体を復旧する際には一から再インストールしなければならず、相当な時間と労力を要してしまうという懸念も重くのしかかっていました・・・。
課題・問題のポイント
膨大な工数を要するテープバックアップ運用。1日1回のため、障害時には丸一日分の重要データ消失のリスクが
数時間から数日要するファイル取得や読み取りエラーなど、リカバリ精度の低さが懸念
各種パッチプログラムやOSの設定まで復元できず、再インストールに膨大な時間と労力をロス